栄養コラム5・6月号「亜鉛を摂ろう!」
必須ミネラルである「亜鉛」は、高齢者には不足しやすい栄養素の1つです。今回は、健康を保つうえで重要な亜鉛についてお話します。
○亜鉛のはたらき
酵素の働きを助けからだの機能を維持するほか、DNAやタンパク質合成、免疫反応の調節などに作用します。
また、味覚に関わる細胞をつくる働きもあり、食べ物を美味しいと感じるのに欠かせない栄養素です。
亜鉛は体内で作ることができないため、食事から十分に摂取する必要があります。
○亜鉛が不足すると…
・食欲不振 ・味覚障害 ・創傷治癒の遅れ
・皮膚障害 ・免疫力の低下 ・口内炎
特に高齢者は食が細くなり不足しがちになるため意識して亜鉛を摂る必要があります。
また、自分で体位を変えられず、血流が悪くなって起こる「床ずれ」の予防としても亜鉛の摂取はとても重要です。
○亜鉛を含む食品(可食部100gあたり)
・牡蠣(養殖) 14.0㎎ ・パルメザンチーズ 7.3㎎ ・豚レバー(生) 6.9㎎
・カシューナッツ 5.4㎎ ・するめいか 5.4㎎ ・牛ひき肉 5.2㎎
△亜鉛の吸収を助ける
・動物性たんぱく質
・ビタミンC
・クエン酸
▽亜鉛の吸収を妨げる
・穀類、豆類に多く含まれるフィチン酸
・加工食品に含まれるポリリン酸
・過度なアルコール摂取